言いたい事は沢山。

でも、ひとつだけ知って欲しい事があった。

知って欲しいけど、知って欲しくない事。

もしも、必然が存在するならばあたしがこれを言う事も運命の内なのかもしれない。

深呼吸するように、夜の空気を吸った。




「…あたし、西街の"元"情報屋なんです。」




少し驚いたように見開かれた黒都の目は、すぐに安心したような目に戻った。

「なんだ、そんな事か。」

そんな…事ある。

だって、西街の情報屋。
そっちの人とも結構繋がりがある訳で…。



「俺は"現"情報屋だ。」


偶然は存在した。
必然となる為に存在した。