黒都は、自分の中身を受け入れて欲しかったんだと思う。 見えないところも。 見えるところも。 体だけでなく、心を。 「期待…しますよ?」 発する声が震える。 「そうやって、黒都があたしを見てるって期待して、付け入ったりするかもしれませんよ?」 「勝手にしろよ。」 頭に手が降りてきた。 …頭を撫でられるのは、いつ振りなんだろう? 「城沢四季って言います。」 あたしは、自分の名前を言う。 「好きです。」 そう言って、見上げれば黒都の笑顔が見えた。