そう気づいたのは今更。 でも、黒都は口を開く。 「背中見て、何回も会いに来る奴。」 …背中。 確かに黒都の背中には、厳ついくらいの鷹の入れ墨があった。 「だってお客…、」 「客はすぐに入れ替わる。一応No.1だから、いなくなる事はないけど。」 …やっと分かった。 「俺の容姿目当てじゃない女はお前が初めて。」 彼が、黒都が切なそうに空を見る理由。 「…あたしだって、黒都の顔が好きだって言ったらどうします?」 「俺もお前の顔が好きだって言い返す。」 子供みたいな言い方。