前はこんな事なかった。 それはあくまであたしの思考であるから、なんとも言えないけど。 絡まれないよう、目を合わせずにギャングやチャラい集団の横を通り過ぎた。 すぐに見つけた黒都の姿。 切ない顔で空を見上げて輝く星を見てる。 …何を考えているの?って聞いてしまいそうになる。 「…よぉ。」 その姿に見惚れていたあたしを見つけた黒都は、静かに話した。 まるで、来ると分かっていたように。 「何ですか?」 「なにが。」 「初めてって。」 もしかしたら、出任せかもしれない。