いや、だから。 あたしには孫はいないって。 「…黒都?」 自分で言って、呆れた。 あたし、可笑しい。 もう会いたくないとか思ってたのに。 どうしてこんなに期待してるの? 『よぉ、現役女子高生。』 「…どうしたんですか?」 『今、駅にいる。』 何がしたいんだろう? あたしは意味もなく、時計をぼーっと見た。 早く電話を切りたい。 これ以上話すと、また会いに行ってしまいそうだから。 『最近、こっち来ねぇのな?』 「そうですね。」 『何かあったのか?』 「何もないです。」