取り憑かれたら嫌。 お祓いとかもよくわかんないし。 「一年の藤枝なずな(フジエダナズナ)です。」 律儀にニッコリ笑ってくれるお化けのなずな。 …一年…って、やっぱりお化けではないらしい。 「なんであたしの名前知ってるの?」 「人に聞きました。」 「で、何か用でも?」 あたしがわざわざ足を止めている理由。 なずなはキョトンとした顔をする。 「仲良くしたいなぁ、と思いまして。」 「…絶対やだ。」 即答だった。 だって、お化け。 後輩と仲良くするとか、よくわかんない。