古ぼけた校舎から外に出されると、なんだか静寂から追い出された感じがした。

体育の時間、あたしは何気なく校舎を見ていた。

今から100Mを走るらしく個人で準備体操をしている。

周りにいる史佳と美羽は走る気満々。

あたしはただぼーっと…中央校舎と新館を繋ぐ二回に位置する渡り廊下を見ていた。

そうしたら、誰かと目が合った。

多分、女子だと思う。

「…誰?」

思わず声にでていて、美羽がそれに反応した。

「え?」

「渡り廊下に女子いたんだけど。」

「サボリじゃない?」

史佳は言った。

確かに。