歪んだ心は、あたしという人の形にスッポリと納まった。

ストーカーと呼ばれる勇気はない。

あたしはただ、西街駅の西口を通り過ぎる時、彼を凝視してしまうだけ。

後を着けていったり、好きなものを知ってるわけじゃない。

ただ、いつも夜空を見上げるその顔は整っていて。

闇夜に溶けてしまいそうな程の黒い瞳とは対照的なハニーカラーの髪。

外見から仕事は、少し考えたら予想がつく。

夜の仕事、ホストをやっているようだった。