ありゃ、と目を丸くする美羽。 クラス替えをしてから一緒にいるようになったあたし達は、まだお互いの事を何も知らない。 「私はお兄ちゃんに彼女が出たら、体当たりするよ。」 美羽は楽しそうに、クスクス笑う。 「ブラコンだね。」 あたしは言うと、それを褒め言葉のように受け取られた。 「ありがと!」 「褒めてないよ?」 「嬉しい。」 褒めてないってば。 その言葉を言う前に、教室の扉の方から「美羽!」と呼ぶ声が聞こえた。 「はぁい?」 持ったオニギリをそのままにして、美羽は向こうに行ってしまう。