白い闇は、いつまでもあたしを追いかける。

「昨日の夜。駅の方にいた?」

つまらなく暇な授業は、ノートをとるのに集中すれば、結構退屈しのぎになる。

隣からした声に、あたしはそっちを向いた。

「…なんで?」

答えないで、聞き返す。
誤魔化す言葉が上手くなって、平気でそんな事を言えるようになった。

「知り合いが姿見たって言ってたから。」

ソレに誘導されてか、答えなんてどうでも良いのか。

東金は答える。

「知り合い?」

「うん…まぁ、そんな感じ。」

歯切れ悪く言った。