ホストの仕事で使っていたってのがあるし。 あたしはお客さんではないし。 「…じゃあ黒都。」 クロト。 顔を見上げる。 視界の端に映った時計はもう9時を示していた。 遅刻だ…と考えながら、 「いいんですか?」 「あぁ。それにどうせまた会いに来んだろ?」 「勿論です。」 それだけは確か。 「く…黒都さん。」 鷹宮さん、と呼ぶよりドキドキした。 「サン要らねぇ。」 「く…。」 ドキドキし過ぎて、心臓が痛い。 …痛すぎる。