なんて言うか

ほんと


フブキお兄ちゃんって優しい……!




料理一つにしたって

本当に喜んで(パパと取り合うように)食べてくれるから、作りがいあるし



わたしを当たり前にこき使うアラシ兄とは全然ちがう




(ふぅ……いっそフブキお兄ちゃん家に永住しようかな?)



今日もそんなことを考えながら
スーパーで買い物して1人マンションに帰る



家のドアの前で買い物袋をガサガサさせながら
鞄の奥に入っちゃったカギのポーチを探していると





「あ、イブ!」


一瞬、フブキお兄ちゃんかと思ったけど

それにしては高めの声





振り向くと


エレベーターから学生服の男の子が出てきて立ってた



またそこで一瞬戸惑ったけれど




「何固まってんだよ」


ニッと笑ういたずらっ子な目もとに




「あっタクヤ!」


わたしはやっと思い出した