「アラシにいぃぃ……」 家に駆け込んだ泣き顔のわたしを見た時のアラシ兄の顔…… まさに目が点 そうとう驚いてた わたしの行動がアラシ兄に驚きを与えるなんてそうそうないことだ 「伊吹……どうした?」 兄貴は低い声でわたしに聞いた あんなに驚いてた割に兄貴はすごく冷静に見えた (きっと頭の切り替えが早いんだろうな) わたしは頭の片隅でぼんやりとそんなことを考えながら 「痴漢……」 自分はカタコトで子供のように泣きじゃくりながら外を指差す その瞬間 しまった! と思った