秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下


「わり、ホントに兄貴だったんだな」


下を向いたまま謝る匡。


「嘘なんかつくわけないじゃん、馬鹿!」


薄い胸板をちょっと強く叩いてみる。

「しょうがねぇだろ!ありきたりな言い訳と同じ台詞じゃ」


男の癖に言い訳すんなよ。


「別に許してあげるけどね」


顔を背けてアタシは言った。


アタシって意外と寛大な女よね、って自己満足しながら。


「俺の彼女は態度がでかいな」


笑いながら言う匡にアタシは目玉が飛び出しそうになった。


「アタシ、あんたの彼女だったのっっ!?」


アタシ、付き合ってくれって


彼女になってくれって言われた!?


いいえ、言われてないよね??



「は??昨日お前は俺のモンって言ったろ!一晩で忘れたのかよ??」


「あれ??あれそーゆー意味だったの!?」


「むしろ、どうとってたんだよ」

あの台詞には感動したけど、そんな意味が込められてたなんて……


「所有物……みたいな??」


そっか!アタシ彼女だったんだ!






……ん?彼女!??