「わり、ホントに兄貴だったんだな」
下を向いたまま謝る匡。
「嘘なんかつくわけないじゃん、馬鹿!」
薄い胸板をちょっと強く叩いてみる。
「しょうがねぇだろ!ありきたりな言い訳と同じ台詞じゃ」
男の癖に言い訳すんなよ。
「別に許してあげるけどね」
顔を背けてアタシは言った。
アタシって意外と寛大な女よね、って自己満足しながら。
「俺の彼女は態度がでかいな」
笑いながら言う匡にアタシは目玉が飛び出しそうになった。
「アタシ、あんたの彼女だったのっっ!?」
アタシ、付き合ってくれって
彼女になってくれって言われた!?
いいえ、言われてないよね??
「は??昨日お前は俺のモンって言ったろ!一晩で忘れたのかよ??」
「あれ??あれそーゆー意味だったの!?」
「むしろ、どうとってたんだよ」
あの台詞には感動したけど、そんな意味が込められてたなんて……
「所有物……みたいな??」
そっか!アタシ彼女だったんだ!
……ん?彼女!??

