秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~下



匡はまた何処かに行ってしまった




また、アタシに背中を向けて。





「……馬鹿」


アタシの、馬鹿。



「侑姫ちゃ……」


振り向くと純君が困惑した表情で突っ立っていた。


「2分」


それだけでいいから。


「2分たったらいつものアタシに戻るから……」


だから、


今は泣かせて―……




何も言わずに、腕を広げてくれる純君の胸にすがり付いてアタシは泣き続けた。