知らなかったんだよ。




俺…馬鹿じゃねぇけど。




この時、




桃がどんな思いで俺にキスしたか。




「ねぇ…恭平」




俺を見つめながら、その瞳に俺だけを映して、




「今までありがとう」




桃がどんな思いでそう言ったかなんて。




俺にはわからなかった。