間抜けな私の声は、 静まり帰った店内に響き渡る。 ジロリと店員に睨まれ、 口を押さえた。 倉田さんは可笑しそうにクスクスと笑い、 ごめんね。と呟く。 「何で、ここに?」 「今日、近くに用があってね、たまたま寄ったの。 そしたら、君に会えた。」 サラリと、まるで歌詞のように 微笑みながら言う。 近くに用って… 少し不思議に思いながらも、 彼の笑顔に納得してしまう。 「プリン、食べるの?」 私の手に収まったプリンを指差す。 「はい…」 なんだか恥ずかしくなって、 肩をすくめた。