――数日後 私は店長からの言葉をそのまま受け取り、 久々に曲作りをしてみようと考えた。 真夜中 みんなが寝静まった頃、 私はしんとした部屋で ペンを走らせる。 目を閉じて、彼を思い浮かべる。 あの優しい笑顔、 話し方。 目線に、仕草。 思い出しては嬉しくなったり 恥ずかしくなったり。 私、ほんとに恋したんだ…… なんて今更になって 深く気付く。 ふとキッチンに目をやり、 彼の広い背中を思い浮かべた。