俺は、カトリーヌの話しを最後まで聞かずに、カトリーヌの手を取り、引っ張りながら、カトリーヌの家を跡にした。



『えち、ちょっとジャンヌどうしたの』


『良いからカトリーヌはその鳥を助けたいんだろ』


『え…う、うん…』


『なら、俺のお父さんに治して貰えば良いんだよ』

『うぁ〜あ、そっかぁ、ジャンヌのお父様はお医者さんだもんね』


『そういう事』



―ジャンヌの家―



俺はすぐにカトリーヌの持っていた箱の中の鳥を親父に見せた。



『お父さ〜ん』


『おぉどうした?ジャンヌ。』


『おっカトリーヌちゃんも一緒かぁ相変わらず中が善いなぁ、二人とも』

『そんな事より〜』



親父は、そう慌てた俺や、今にも泣き出しそうなカトリーヌを見て、何か異変を感じたらしく、すぐにカトリーヌにこう言った。



『あれ?カトリーヌちゃん、どうしたのかなぁ?何か有ったのかい?』


『あのね…鳥さんが…』


『“鳥さん”?…』



そのカトリーヌと親父のやり取りを見ていた俺は、カトリーヌの手から段ボールを奪い、親父に鳥の様子を看てくれる様に頼んだ。



『お父さんそれより速くこの鳥を看てあげてよ』

『この鳥、羽根から血が出てるんだ』


『それに、さっきより、鳥の動きが段々遅くなってて…だから…』



すると、親父は俺が持っている段ボールの中から、鳥を取り出し、優しく両手で持ちながら、鳥の様子を看はじめた。


そして、少し鳥の様子を看たあと、親父は笑顔でこう言った。



『ふふっジャンヌお前、カトリーヌちゃんの家からここまで走って来ただろう?』


『う、うん。』


『確かにこの鳥は羽根に少し怪我をしてるけど、さっきより動きが遅くなったのは、お前達が走って段ボールを揺らしたから、鳥が驚いて目を回しただけだよ』


『え?じゃあ、この鳥治るの?』


『あぁ勿論さお父さんに任せなさい』


『“普通”に治しても、2〜3週間もすれば、また飛べる様になるよ』


『“普通なら”?…』