『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

俺は溺れたショックと息苦しさで意識を失った筈だった。


しかし、そんな湖の中に沈んだ俺に、様々な声が聞こえ始めた。



『あ〜僕達の中に人間の子供が溺れてる〜。』


(お父さん?…)



俺は、目を開ける事が出来ず、ただ誰かの声が聞こえた事に気が付いた。


しかし。



『“お父さん”?…僕達は君のお父さんじゃないよ?』


俺は、自分が言葉を喋っていないにも関わらず、自分の疑問への返事が返って来た事に気付いた。



『大丈夫怖がらないで』


『ユックリ目を開けてごらん』



(え?…でも…)


『大丈夫僕達を信じて』


『君なら出来るさだって、僕達と会話が出来るんだからそれが何よりの証拠だよ』



そう言われ、俺は恐る恐る、自分の目を開けた。



すると…


俺はいつの間にか、自分が湖に落ちる前に居た元の場所に戻って居た。



『え…今の声って』



すると、湖の中から、さっき聞いた声と全く同じ声が、また聞こえて来た。



『怪我は無かった?』



俺は、不思議な気持ちになりながら、こう言った。



『ありがとう。助けてくれて。君は、水の精霊さんかなにか?』


しかし、湖からは何も返事は返って来なかった。



『あれ?…可笑しいなぁ?…』



すると、再び湖から声が聞こえた。



『駄目だよ、君達人間の言葉は、僕達からだと、口が動いてるだけにしか見えないんだ。』


『だから、言葉じゃなく“心”で話して』


『それと、心で話せば“誰でも僕達と話せる”って訳じゃ無いから、そこんとこ宜しくね』