『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

―西暦20009年・魔法化学都市シャンバラ―



俺は当時まだ三歳だった。


俺の母親は、俺を産んだと同時に、この世を去り、俺は親父に男手一つで育てられた。



その為、親父は幼い俺を連れたまま自分の仕事の研究に明け暮れる日々だった。


ちなみに、俺の親父の名前は“ヴァン・ダルク”…


俺を男手一つで育てながらにして、元素研究の第一人者でも在った。


そして、そんな親父が世界中の研究家達から注目を浴びる様になったきっかけはやはり、今の魔法化学の基礎を考え付いた事だろう。

親父は元々医学方面の研究者だった。


しかし、そんな親父は人の体を“治す”には“限界”がある事を俺の母が死んだ時に悟ってしまった。


親父は言った。


『何が医者だ自分の妻一人救えない様な奴が』


『何が医療研究者だ自分の妻一人救えない医学で誰を救えるって言うんだ』


それから親父は医療の研究から離れ、当時の仲間のツテで元素研究への道へ進んだ。


しかし、そんな親父が元素の研究に没頭して1年も経たない内に、元素研究と医療の融合を思い付いた。


まぁ考え方としては単純な事だ。“人体”と言っても、人の体は結局のところ“細胞の塊の様な物。その細胞とは、突き詰めれば結局は元素から成り立っている訳だからな


つまり、当時の親父の考えとして、人体の細胞とは、元々“破壊”と“再生”を繰り返していて。尚且つその細胞の破壊と再生の回数には限界がある。


“人がの老いて行く”というのは、細胞一つ一つの破壊と再生を繰り返して行く事で起こる現象の一つでもある。


そして、この“破壊と再生の限界”こそが、どんなに医学が進歩しようがそれ以上は生きられないという“人間の命の限界”とも言える。


しかし、元素研究を学んだ親父は考えたこの“破壊と再生”を元素研究をそのまま活かし、人体を元素レベルで新しく作り替えられないか?と。


つまり、この細胞の“破壊と再生”に“リセット”を組み込むというものだった。