『おいコラァまたお前か?ジャンヌ。』


『お前が、俺の授業に興味が無いのは分かったが、それで後ろのカトリーヌ君に話し掛けるって言うのは、納得出来ないぞ?』


そのマルグリットの言葉に俺が返事を返した。



『どうだって良いだろ?そんなもん。』


『だいたい、うるせぇんだよ一々…』


俺の言葉の途中で、カトリーヌが席から立ち上がり、マルグリットにお辞儀をしながら言った。


“ガラン”


『済みませんでしたマルグリット先生。』


『ジャンヌに話し掛けたのは私の方からなんです』

『ですから…』


すると、マルグリットは深く頭を下げるカトリーヌにこう言った。


『あぁ〜も〜、分かった、分かった。』


『もう良いから席に着きなさい。』



するとそのマルグリットの言葉に従い席に座るカトリーヌ。


すると、カトリーヌが席に着いた事を確認したマルグリットは、再び歴史の教科書に書かれた文章を読み始めた。



マルグリットが教科書の文章を読んでいると、今度は俺の隣の席に座る“エドワード”が話し掛けて来た。

エドワードは、マルグリットが読んでいた歴史の教科書のページを開き、そのページに描かれていた“ジャンヌ・ダルク”を指差しながらこう言った。



『なぁこの“絵”のジャンヌ・ダルクってお前に似て無ぇ?』


『そうかぁ?』


『似てるのは“名前だけ”だろ?』



ぶっちゃけ、俺はそんな事はどうでも良かったから適当に返事を返した。


すると、性懲りも無く、またエドワードが教科書に描かれた“絵”を見せて来た。



『でもさぁ〜“似過ぎ”じゃ無ぇ?』


『あのなぁ〜いい加減にしろよ俺は今マルグリットの野郎のせいでイライラしてんだ』


『だから、寝たいの』


『分かったら静かにしててくれよ頼むから…』



そう言いながら、また俺は机に顔を伏せて寝ようとした。


しかし、顔を伏せていた俺の耳に聞こえて来たエドワードの次の言葉が、俺の目を覚まさせた。