『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

そして、その間も、盗賊達とローのやり取りは続いて居た。



『なぁ?…さっさと尻尾巻いて帰ってくんない?』


『俺、“くだらない喧嘩”は趣味じゃ無いんだよねぇ〜。』


『ふっ…“趣味じゃ無い”…っか。お前には興味無くても、こっちとしては、引けねぇ喧嘩だなぁ』


『あの“生きる伝説”を倒したとしたら俺達の名も、世界中に広がるってもんよ』


『あっそっ…“引く気ゼロ”って訳ね』


『じゃあ仕方ない…』



すると、今まで軽々しい物言いをしていたローが、一度下を向き、さっきまで閉じていた左目を開け、残った盗賊達を睨みつけた。



(何なんだこの“威圧感”は)


(こいつの側に居るだけで殺されそうな“殺気”…)


そして、気が付くと、俺の前に居た盗賊達は指笛の盗賊以外全ての盗賊達が床に倒れ込んでいた。



(はい…い、今…“何が起きたんだ)



俺は、現状を見ていたにも関わらず、把握出来ずに居た。



すると、指笛の盗賊が、倒れ込んで居る仲間達に驚きながらも、ローに言った。


『なるほど…これがあの噂の“止殺眼”(シサツガン)ってやつか…』


(“シサツガン”?)



『噂で聞いた話しだが、お前は、その止殺眼を使い、数多の戦場で人を倒し、戦場において、敵は愚か味方からも、闘神と恐れられていたそうじゃないか。』



すると、また、軽々しい物言いの表情に戻ったローが指笛の盗賊に言った。



『あ〜ぁそう言やぁそんな呼び方もされてたっけなぁ』



『しかも、そんな荒れ狂う戦場の最中でも、お前は一度も剣を鞘から抜く事無く、お前と剣を交えた者達の中からは誰ひとりとして命を落とした者は居ないと聞く。』


『………』


『しかし、それがアダとなり、敵の兵力は堕ちては行くが、また復活する。』


『だから戦が長引き、結果的に、お互い長引き過ぎた争いに終止符を打つ為に、当時のシャルル6世とヘンリー5世の間に“トロワ条約”を結ばせる事となった。』



『違うか?』