『まず。第一に、その場からあんまり離れないでくれ』


『万が一、通信が途絶えてから、君が移動してしまったら、また探さなくちゃ行けなくなるからね』


『第ニに、君が居るその時代の人とはなるべく関わらない様にしてくれ』


『この理由は解るよね君が、その時代の人と関われば、下手をしたら、歴史が大きく変わってしまうかもしれないからだ』


『そして、こ…れ……が……最……後……―』


“ザーッ”“ザーッ”


『ジャ…ンヌ……ち…ゃん……』



今まで、正常に聞こえていたミカエル達の声が、まるで、テレビの砂嵐の様な音がし始め、会話が途切れ途切れになり始めた。



『その……時代…の人の……前………で魔…法化……学……は』


“ザーッザーッ”


『絶………対………に……―』


“ザーッザーッ”


“プッン…”


(え…“途切れた?”…)


俺は、一瞬固まり、そして冷静に考え“通信が途絶えた”事を認識し、必死になって、大声で叫んだ。



『お〜いミカエル』

『カトリーヌ』


『聞こえてるんだろ』


『何とか返事をしろよ』


(おい…“冗談”だろ?…おい…)



俺は、あまりにも、ショックで体の力が一気に抜けた気がした。


そして、俺の頭の中は、独り残された“孤独”。


頼れる者の居ない“恐怖”…


決して戻れないという“悲しみ”が渦巻いていた。



しかし、そんな落胆しきった表情でしゃがみ込む俺の耳に悲鳴が聞こえて来た。


『キャァ〜…』


『ん』


(今の声って)