『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

俺は、この世界でただ一人、“水に選ばれた人間”だった。


なぁ?知ってるか?人間の80%以上は“水”で出来てるんだ


そして、俺の暮らす世界では“80%以上”水で出来てる人間は、その水に“一番近い生き物”であるとされているんだ。


そして、ある学者はこう言った“逆もまた、有り得る”と。


つまり、その学者はこう言いたかったんだ“人間と水が近い存在だとするなら、水にも人間同様に意思が在っても可笑しくはない”

勿論。当時その学者の意見に耳を貸す者など、ほとんど居なかったらしい。


その頃の他の学者達の意見は“水はただの水に過ぎん。ただの水素の塊の様な物。”


それがこの時代、この世界の当たり前だと思われていた。


俺が、この世界に生まれるまでは。


しかし、俺には、水達の“声”が聴こえた。


勿論、最初は馬鹿にされた。


“嘘を言うな”


“大人をからかうもんじゃない”と…


しかし、余りにもしつこい俺を見兼ねて、俺の親父が俺を精密検査した結果、俺の言ってる事が“本当だ”と証明されたのは俺が3歳の頃だった。


それからと言うもの、前まで否定されていた“水には意思がある”と言う意見は、瞬く間に世界中に広がり。


数多くの学者が“水”についての研究を見直し始めた。


勿論、その学者達の研究には“俺”が必要不可欠だった為、俺は幼い頃から研究所に入り浸る毎日だった。


そして、俺は今、13歳の中学1年生。


しかし、俺の住む時代では中学の勉強とは、分野によって異なるが、西暦2000年の勉強レベルで言うと、“大学レベル”と考えて貰えば分かりやすいだろう。