その時、やっと俺は理解した。今ミカエルが話している言葉の意味を。


そして、何故ミカエル達がこんな話しをしているのかも全て。



(ミカエル達は、きっと“歴史通り”の事をしているんだ。)


(ミカエル達は今、歴史上で神の声を聞いた少女ジャンヌ・ダルクへの神の声を伝える為だったんだ)


(そうか“神の声”の正体は“神”や“天使”じゃなくただの“未来人”だったのか。)


(だから、これから起きる出来事をこの時代のジャンヌに伝える事が出来たのか)



俺は、全てを理解し、大人しく、その“神の声”を聞く事にした。



『ジャンヌ・ダルク今からお前に神の御意思を伝える。』


『そして、お前はこれからその神の御意思に従い、行動する様に。』


『はい。』



ミカエルの言葉に反応し、頷きながら返事をするジャンヌ。



(ミカエルの奴、中々雰囲気出てんじゃねぇか)



そして、そのミカエル達とジャンヌのやり取りを見ていた俺はそう思っていた。

するとミカエルは、神の声とやらをジャンヌに告げ始めた。



『ジャンヌよ。お前も知っていると思うが、今から3年程前、お前達の住む国“フランス”の王“シャルル6世”が死んだのは知っているだろう?』


『はい。』


『そのシャルル6世は、死んで現世から、我等が居る天の国にやって来た。』