『えぇ。何でしょうか?』


『マルグリット先生は“女役”でお願いします』


『はい?』


『いや〜、僕は歴史に詳しく無かったので知らなかったんですが…』


『この教科書に載ってる“神の声を聞いた”とされているジャンヌの言った話しによると…ですねぇ…。』

『はい…』


『その3人の声なんですけど〜。』


『一人は大天使ミカエル』

『あとの二人は“聖女”カトリーヌと“聖女”マルグリットらしいんですよ〜。』


(え…“聖女マルグリット”?…)


『ぷっ。』



私は勝手にマルグリット先生が女装をした格好を想像してしまい、思わず笑いが出てしまいました。



『キャハッハァ。』


『カ、カトリーヌ君』



笑った私を怒る様に私の名前を呼んだマルグリット先生。



『す、すみません…で、でも可笑しくって。』



私は、両手で口を塞ぎ、じっと笑いを堪えようとしましたが、我慢しようと思えば思う程、笑いが込み上げて来ました。



『ぷうっぷぷぅ〜』



そんなマルグリット先生は耳まで真っ赤にして恥ずかしそうな顔をしながらミカエル先生に言いました。



『でも…今からじゃもう遅い様な気がするんですけど。』


『一度私も、さっき14世紀のジャンヌ・ダルクと会話してしまってますし。』



そんなマルグリット先生の言葉を聞き、ミカエル先生はこう返しました。



『大丈夫ですよ元々マルグリット先生の声は高いですから』


『しかも、さっきの会話って言っても、ほんの少ししか喋って無いですからね』



『まぁ、実際、マルグリット先生は、あまり14世紀のジャンヌちゃんと喋ら無ければ、良い話しですから』



そんな会話をして、私達はジャンヌ達が再びさっきの場所に戻って来るのを待って居ました。