『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

『ちょっと待って下さい』



ワームホールに入ろうとしたミカエル先生を止めるマルグリット先生。



『お言葉ですが、ミカエル教授が今ワームホールに入るのは危険かと。』


『もし、ジャンヌの奴が本当にワームホールから消えたんだとしたら、今ミカエル教授がワームホールに入っても、今度はミカエル教授も“消えてしまう”かも知れません。』


『もし、そうなった場合、私やクラスの子供達がこちらに取り残されてしまいます。』


『だとしたら、私より知識の豊富なミカエル教授が消えてしまうより、私が消えた方が、子供達が助かる確率は遥かに高い。』


『ですから、せめて私がワームホールに入る役目を』



そんなマルグリット先生とミカエル先生のやり取りの末、ワームホール内に入る事に成ったマルグリット先生。



『では、行って来ます。』

『もし、もし私に何かあったら、生徒達の事はお願いします。』



そう言い残し、マルグリット先生は、一人でワームホールの中へと消えて行きました。


ミカエル先生が持っている紐が次第に、ワームホール内から引っ張られ、紐がピンと張って行きました。


そして、引っ張られていた紐の動きが止まってすぐに、ワームホールの中に消えたマルグリット先生が私達の前に帰って来ました。



『今なら大丈夫そうです私の持った紐の端を向こう側の教室に結わいて来ました。』


『この紐が張っている間はワームホールが正常な筈です』



ミカエル先生とマルグリット先生の話しの結果、私やクラスの人達もワームホールを通って、元の時代(今日)へと戻る事に成りました。