『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

『可笑しいですね。』


『じゃあ、ジャンヌの奴は一体何処に?』


『ん〜…』


『“ワームホールの中”に取り残された…?』


『ワームホールの中?』


『ワームホールの中に人が取り残される事なんて有るんですか?』


『いいえ。今まで何度も僕の研究所の人達と未来に行ってますが、一度もこんな事は無かったです。』


『じゃあ、何故こんな事に?』


『分かりません。しかし…もしジャンヌちゃんが消えたとして、しかもそれがワームホールが原因だとしたら、僕らも元の時代(今日)には帰れなくなってしまいますねぇ。』


『取り敢えず僕は、ワームホールに異常が無いか、調べて見ようと思います。』

『ワームホールを調べる?』


『マルグリット先生、この教室に紐とかって有りますか?』



すると、ミカエル先生は、マルグリット先生に紐を用意するように言い、マルグリット先生が、紐を教室の棚から取って来ました。



『お待たせしました。この紐で大丈夫ですか?』


『えぇ、ありがとうございます。これから何とかなると思います』


『それと、こちらを持って貰って宜しいですか?』



そう言いながら、ミカエル先生はマルグリット先生に紐の端を渡し、もう片方の紐の端を持ったミカエル先生は、一人でワームホール内に入ろうとしていました。



『僕は、この紐を持ったままこのワームホールから元の時代に戻れるか試して見ます。』


『もし、途中で紐が切れたりしたら、僕もワームホールから消えたと思って下さい。』