『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

そして、俺の前に居た死刑執行人は、俺の足元の枝や枯れ葉に、火を点け始めた。


“バチバチ”

“バチバチ”


『おいっテメェ何すんだよ』


俺は出来る限り身体をうねらせ、縄を解こうとしたが、全く縄は外れない。


俺は叫んだ。


『畜生』


『こうなりゃ、神でも悪魔でも何でも良いから、助けに来いよ』


“ッボッツ”


“ボワァ〜”


“ボーォ…ボーォ”


俺の足元に点いた火種は瞬く間に俺を包む程の大きな炎となった。


そして、その大きな炎は俺を包み俺の衣服までも、燃やし始めた。



しかし、勘違いしないで貰いたい。


この炎で、俺が死んで、この物語は“Badend”と言う訳じゃ無い


これは単なる余興。


ただ、俺がコイツ等(俺を囲む人々)を欺く為の余興に過ぎない。


この死刑は“終わり”では無い


この死刑は、悪までも“始まり”なのだから…


(そろそろだな)


俺は今、“とある計画”の真っ最中なのだから…


そして…


全ての“時”が止まった…

(やっと来たかぁ。)


俺は安心した。



え全く訳が分から無ぇって


んなら教えてやるよ


ここまでの全てを…


俺が何故、こんな事に成ったのかを…