『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

そこには、俺が見た事の無いような焦ったロベールの顔。


顔中汗だくになりながら城の門に片手を付いて叫ぶロベールの姿だった。



『ロ、ロベール』



すると、立ち止まった俺を確認したロベールは俺に一本の剣を投げて来た。



“ヒューーー”


“ドスッ”



ロベールの投げた剣は、俺の目の前の地面に突き刺さり、ロベールはゆっくりと俺の方目掛けて歩いてきた。



“カッン…カッン”



一歩、また一歩と、俺とロベールとの距離は縮まり、気が付けばロベールはすぐそこまで来ていた。



『く、来るな俺は…俺はもう…』



俺がそう言うと、ロベールは俺にこう言った。



『剣を取れロー…』


(“ロー”っか…もうお払い箱の俺に“様”は必要無いんだな…)



俺がそんな事を考える最中、ロベールはそんな俺をお構い無しに剣を抜き、俺の間合いの奥深くに入って来た。


“スーーッ”…


“カキーン”



俺は何とか、そのロベールの一太刀をロベールの投げた剣で防いだ。



『懐かしいな…ロー。初めて君に会った時もこうだったな。』


『………』


“カキーンカキンカキーン”



俺は必死でロベールと剣を交えた。



“カキーンカキンカキンカキン”



ロベールの圧倒的な剣術に手も足もでず、ロベールは俺に話す余裕すら与えてはくれなかった。



(いつものロベールとは違う…)



この時のロベールはいつも剣を交えて来たロベールとは明らかに違い、俺はこう思った。



(これが本物の殺気…もしや親父に…国王に頼まれて俺を)


“カキンカキンカキン”


“カキンカキンカキン”



『ふっ…私を相手にして考え事か?』


『ロー、君はいつからそんなに強くなったのだ?』


『くっ……… 』


“カキンカキンカキン”