当然と言えば当然だ。俺が話してた言葉とは、この時代のフランス語では無く、俺の“元居た時代の言葉”…“ノブリス語”。


つまり、そのノブリス語の基が、仮にフランス語から来ていたと仮定しても、都合よく全てが通じるなんて有り得ない…


俺が頭の中で色々考えて居た矢先、ローは笑いながら俺にこう言った。



『まぁ良いんじゃねぇの別に。』


『良いって…お前なぁ』

『それより、この3文字の意味、知りたい?』


『ああ。』


『これはな、“Jouis du Jour I'espoir”の略だ』

〔“Jouis du Jour I'espoir”〕


ローは地面の砂に剣の先を使い、そう書いた。



『この字、ジャンヌちゃんは読めるか?』


『いや、前に学校の授業で軽く見た程度だからさっぱり分からない。』


『そっかならしょうがない善いかい?まず、この“Jouis du Jour”で、“今を生きる”と言う意味だ。』


『“今を生きる”?』


『それと“I'espoir”が“希望”と言う意味だ。』


『“希望”?』


『そうだから二つ合わせて、“今を生きる希望”って意味さ』


『それで、その“Jouis du Jour I'espoir”の“J”と“J”と“I”を取って、この村の名前にしたんだ』


『へぇ〜“今を生きる希望の村”かぁ〜中々善い名前じゃないか』


『それで…その“希望”っていうのがあそこで走り回ってる子供達か?』



俺とローが村の前で看板を見ている間に、さっきまで居なかった村人がいつの間にか、村に姿を現した。



『ああ。そうだよあいつらがこの村の…いや、この時代の次の世代を背負って立つこの国の未来の希望だ』


『ふ〜ん。しかし…この村は子供達ばっかだなぁ。大人の人が一人も見当たらない。』


『そりゃそうだよだってこの村、俺ともう一人の奴以外は皆子供だよ?』


『はぁ?“皆子供”?』


『それに、ジャンヌちゃんにも最初に言っただろ?俺の子供達の面倒を見てくれって』


『え?じゃあこの村の子供達って本当にっ―』