『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

その妙な呪文の様な言葉を口にした親父は、俺の疑問にこう答えた。



『そうか…では簡単に言うとしよう。』


『私達の考えはこうじゃ。このアーサー王の剣には元々、マーリン本人が魔法、あるいは呪いが架けられて有ったんじゃ。』


『アーサー王が持ったとされる剣はアーサー王の手に依り、大いなる力を見せた。』


『しかし…その結果、不動の剣は多くの血を浴び再び不動の剣へと戻ったんじゃ。』


『そして、その剣は二つの剣へと姿を変えた。』


『その内の一つは現在でも語り継がれ、有名な聖剣エクスカリバーとなり、人々に愛されその名を轟かせた。その剣の持つ力と引き換えにな。』


『しかし、もう一つの剣は歴史からも姿を消し、人々の…しかもその剣の犠牲となった者達の怨念をも宿し、人を拒み続ける魔剣となったのであろう。』


『そして…マーリンはおそらくその剣を正しき道へと導く者が再び現れるまで封印したのかも知れん。』


『なんでマーリンって奴はそんなに面倒臭せぇ事をしたんだ?』


『俺なら一つ目の剣見たいに力を奪うだけで、わざわざ剣を二つに分けるなんて真似しねぇけどなぁ。』


『おそらくそれは…マーリンが未来を予知していたのでは無いかと思う。』


『“未来を予知”?』


『そう。つまり、マーリンは再びこの剣を抜かなきゃならぬ時が来ると思っていたんじゃないか?』


『そして、その剣の後継者としてマーリンが選んだのは自分自身の血を受け継ぐ者だったんじゃ。』


『“自分自身の血”?』


『マーリンアン・ブロジウスの血を受け継ぐ者…』


『“ロー・アンブロジウス”お前はあのマーリンの、アンブロジウス家の末裔じゃ』