『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

すると、突然親父は俺に妙な事を聞きはじめた。



『ロー。お前はちゃんと付いて来れたか?』


『はぁ?何言ってんだよ親父は?…』


『確かに明かりは壁に備え付けられてるロウソクだけだから視界はあまり良くねぇけど、ただ階段を下りるだけの一本道だったろう?』


『んなの道に迷う方が可笑しいっての』


『ほ〜う。お前の目には、この部屋に行く為の明かりまでも現れたのか…』


『はぁ?だからさっきから何言ってるんだよ』


『親父だって同じ階段を下りてたじゃねぇか』


『私にはまるで迷路の様に入り組んだ階段だったが?』


『え?』


『やはりこれも“マーリンの定め”か…』


『だから何なんだよ?さっきから…“マーリン”“マーリン”って』



すると親父は俺にこんな話しを話し出した。



『“マーリン”か…やはり、この部屋に入る前に、ローには話しておこう。』


『ん?』


『まず…この部屋に辿り着ける者は我々シャルル王家の者だけなのだ。』


『は?…じゃあなんで俺がここに来れるんだ?』


『確かに俺は親父の息子になったけど…でもそれって養子だろ?』


『俺と親父には血の繋がりなんか全く―』


『私とでは無い』


『ん』


『ロー。良く聞くんだ。さっきも言った様にこの部屋に来れる者は限られた者のみじゃ。』


『宮廷内に使える者達…』

『王族に近い貴族達…』


『この世に名を馳せた剣客達…』


『私は今までに数々の者達をこの部屋に招いたが、皆この部屋に辿り着く事が出来た者は居ない。』


『お前の知るロベールも、この部屋に辿り着け無かった者の一人じゃ。』


『ロベールも辿り着け無かった?』


『ロー。お前はあのアーサー王の話しを知っておるか?』


『アーサー王?…』


『確か…誰にも抜けなかった剣を抜いて国を救った英雄だろ?』


『そうじゃ。』


『まさかこの地下の部屋にある剣って…そのアーサーの剣か』


『いや…そんな生易しい物では無い。』