『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

『いえ。私はただ、今のロー様は剣術を習う必要が無いほど、剣の腕が善いと思って居ます。』


『俺に勝っておいてよく言うぜ?』


『それは仕方が有りません。言い方は失礼ですがロー様はまだ大人と剣を交えるには幼な過ぎます。』


『しかも、王国軍の中でも入りたての兵ではなく、私程の戦歴を持っている者とでは力の差が有って当然なのです。』


『でも…その間にも外ではハイドが毎日強く生き抜いてるんだ』


『毎日誰かと闘って毎日剣の腕を上げてるんだ』


『俺がハイドと再開した時に俺とハイドの剣の差が開いたら、恥ずかしくてハイドと顔向け出来ねぇよ』

『だからその為にも俺は毎日剣術を磨かねぇと』



するとロベールは少し怒った物言いで俺に言った。



『ロー様。お言葉ですがロー様に一つお尋ねします。』


『な、何だよそんなに怖い顔して。』


『ロー様にとって剣術とは何ですか?』


『友人と…いや、他人との力の差を計る道具に過ぎないのですか?』


『己の力を誇示する為の道具でしか無いのですか?』

『え?』


『もしそうなのであれば、貴方に剣を握る資格は無いと私は思います。』


『剣というのは、その一振りで人一人の運命を左右します。』


『剣とは、たった一振りで人の命を守る事ができます。』


『だから剣とはあんなにも硬いんです。誰かを…大切な人を守る盾の様に。』


『しかし、それと同じ様にたった一振りで人の命を奪う物でもあります。』


『だから剣とは、あんなにも重いんです。自分が背負う人の…自分が斬る人の命の重みの様に。』


『その事は、他の誰よりも貴方が一番お分かりなのだと私は思って居ました。』

『しかし、今の貴方のセリフはそれを分かっているとは到底想えません。』


『ゴメン…なさい。』