『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

―ユリウス歴1400年―


―フランス・宮廷内―



それは俺がシャルル6世の事を親父と呼ぶようになってから半年位経った頃の事だ。


俺は親父に、ハイドも共にこの宮廷で生活出来る様にする為に軍を使い国中でハイド探しを頼んでいた。



『なぁ親父ハイドの奴はまだ見付からないのかよ』


『まぁそう焦る事もあるまい。』


『それよりローにはまだ学ぶべき事が沢山あるだろう。』


『ハイド君の事は私に任せ、お前はお前のやるべき事をやりなさい。』


『嫌だよ〜。もう勉強は飽きたって〜。』


『それより俺も町に出てハイドを探すよ』


『多分ハイドの事だから軍の奴らがいくら探してもそう簡単には捕まらないと思うぜ?』


『その点、俺が行きゃあ一発で連れて来れると思うけどなぁ。』


“カツカツカツカツ”



俺と親父がそんな話しをしていた矢先、俺の後ろの扉の向こう側から足音が聞こえた。



『ヴォークルール守備隊。ロベール・ド・ボードリクール。陛下に御報告に参りました。』


『入れ。』


『はっ。』


“ギィィー”


“バタン”


『ロベールどうだった?ハイドは見付かったか?』

『それが誠に申し訳有りませんが、今だハイド君の消息は不明のままでして。』

『ふ〜っ。そっかぁまだ見付からないかぁ。』


『それよりロー様?噂で聞いたのですが。ロー様のお勉強の方があまり捗っていないとの情報が。』


『ロベール。お前までそんな事を言うのか?ってかその“ロー様”って何回言ったら止めてくれるんだ?』

『しかし、お言葉ながら、ロー様はシャルル6世様の大切な御子息。次期国王様ですので。』


『そんな建前上の喋り方をされても俺は何も嬉しくなんかないっての』


『いいえ。建前上の喋り方等ではなく、敬意を―』


『あ〜ぁ。もういいんじゃ責めてまた剣術の稽古を就けてくれよ』


『いいえ。なりません。貴方様に必要なのは剣術なんかより先ずは、知識が必要なのです。』


『ロベール。今確実に俺を馬鹿って言ったよな?“遠回し”に。』