『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

俺は魔法化学を使わずに剣を持つ事にしてみた。



『んじゃしっかり持てよ?』


『1、2の3』


“ガシャン”


『え』


“ドスン”…


(今…重かったか?)



剣は俺がローから手渡された瞬間に俺の手から地面に落ちた。



(落ちた?…いや、落ちたなんてレベルじゃねぇぞ?)


(どっちかと言うと、“落ちた”と言うより地面に“引っ張られた”って感じが…)



『わ、悪りぃロー。何か手が滑っちまったみてぇだ。』



俺は落ちた剣を拾うと見せかけ、魔法化学で物質の変えて軽くするつもりだった。


(魔法化学で軽くする前にもう一度持ち上がるかやってみよう)



“ガシャン”


“ギュッ”


『んんんん〜』



俺は両手で思いっきり剣を持ち上げようとしたが、剣はびくともしない。



(仕方ねぇ。魔法化学しかねぇなぁ。)


『ロー少しあっちを向いててくれないか?』


『え?何で?』


『善いから速く』


(多分ローは魔法化学を知らねぇとは思うけど、もしかしたらローは魔法化学の事もミカエルから聞いて知ってるかも知れないしなぁ。)


(あの魔法化学の反応を見られたらズルをしたってバレちまうかも。)



俺はローが逆方向を向いたのを確認し、魔法化学を使い、剣の物質を軽くした。


(よしこれで準備はOK。)



準備を終えた俺はローに言った。



『ローもうこっち向いても善いぞ』



ローが振り向き、俺は笑いながらローに言った。



『こんなの片手で充分だっての』


“ギュッ”



俺は片手で剣を握り、持ち上げようとした。



『ジャンヌちゃん。だから諦めなって』


『コイツでお前をぶん殴って―』


『んあ、あれ可っ笑しいなぁ?』



俺は確かにこの剣の物質を魔法化学で軽い物質へと変化させた筈だった。


しかし、軽くした筈の剣だったが、やっぱりびくともしない。



(あれ?確かにコイツを軽くした筈なのに…なんでだ?)