俺は昔から剣術をやっては居たが、剣を見たのは博物館や歴史の本。あるいはテレビといった実際には触れない物だったので、こんな近くで剣を見たのは初めてだった。



『なぁ。ロー。触って見ても善いか?』


『ああ善いよ何ならこれを持って素振りでもしてみる?“出来れば”の話しだけどね』


『ん?出来れば?』


(なるほど〜さてはかなり重いんだなぁ)


(まぁ当然だよな〜この剣、俺が今まで博物館とかで見てきた剣の3倍位は重そうだしな〜。)


(でも…ローは知らないな俺には魔法化学が有るからなぁ)


(ローの手から離れた瞬間にこの剣の物質を元素レベルで変えちまえば?…)


(ローの奴ビックリすんだろうなぁ)



俺はそんな事を考え、ローを驚かせる作戦を考え出した。



『ジャンヌちゃん?なにさっきからニヤニヤしてんだ?』


(ヤバい感づかれた)


『別に“ニヤニヤ”なんてしてねぇよ。人聞き悪りぃなぁ〜。』


『それよりどうする?触る?止めとく?』


『あ勿論素振りする〜』


『ジャンヌちゃんが笑顔…怖い…』


『失礼だなぁ?俺が笑っちゃいけねぇのか?』


『待ってろ?今この剣でローをぶっ叩いてやる』


『ああ何度でも打ってくれよ出来るものならね』



俺は両手をローの前に出し、ローは片手で俺の両手にその剣を乗せた。



『善いか?…本当に手を離すぞ?』


『ああ善いって言ってるだろ?速く離せよ』


(なんだ良く考えたら、ローの奴この剣を片手で持ってるじゃん)


(そりゃそうだよな〜。両手で必死に持ってなきゃいけない様な剣なら、戦い辛いもんなぁ。)


(案外魔法化学抜きでもいけんじゃねぇ?)