俺がローソク立てを袋から出すと、ハイドは自慢げにこう言った。



『夜は暗いだろ?俺、前から照明が欲しいと思ってたんだよ〜』



その言葉を聞いた俺はハイドにこう返した。



『ハイド、ローソク立ては善いけど、肝心のローソクは?』


『ああ一緒に持って来ると折れると思って持って来なかった』


『あっそ…』



『えぇっと〜、気を取り直して、次は?…』


“ガサガサ”


“カランカランカラン”


『ワイン…』


『しかも3本も』


『ああそれ、前に俺の親父が旨いって言ってたから飲もうと思って』


『おいおい…俺達にゃまだ早ぇんじゃ無ぇ?』


『堅い事言うなよ今日は大量だからなそのお祝いだよお・い・わ・い』


『んで?グラスは?』


『割れると思って置いて来た。』


『どうやって飲むんだよ』


『善いじゃんラッパ飲みすりゃ』


『んじゃ開けるやつは?』

『んなのいらねぇよ剣でスパッと』


『出来るかんな事したら瓶ごと割れちまうよ』


『そ〜かなぁ〜…俺は出来ると思う―』


『えぇっと…次、次…』


“ガサガサ”


“ジャラジャラ”


“ジャラジャラ”


(ん何だこれでかくて重いぞ)



俺がそう思いながら、袋からその大きな物が姿を現した。


しかし、俺はそれが何なのか、袋から出しても分からず、ハイドに尋ねた。



『なぁ、ハイド。こりゃ何だ?』


『え?見りゃ分かんだろ飾りだよか・ざ・り』


『やっぱ部屋にはこんな飾りがねぇとなぁ』


『…って…部屋って?俺達は一年通して年中無休の野宿だろうがどこにこんな物飾んだよ』


『いつか、世界の頂点に立った時の為だ』


『俺は“今必要な物”が欲しいんだよ』


『んで、次は?…』


“ガサガサ”


“ガサガサ”



俺は再び袋の中を探った。