『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

―ジャンヌの部屋―



俺とジャンヌがジャンヌの部屋で一緒に横になって居ると、小声でジャンヌが話し掛けて来た。



『ジャンヌ?まだ起きてる?』


『ああ。起きてるよ。』


『どうした?寝付けないのか?』


『うん。…なんか今日は色々有り過ぎて。』


『俺もだ。』


『なぁジャンヌ?』


『何?』


『本当に俺がここに居ても善いのか?』


『え?何を言ってるの?今更…』


『いや、皆いい人達ばかりだし、皆暖かかったし、多分ここに居れば何不自由無く暮らせると思う。』


『でも…』


『でも?』


『やっぱり迷惑かなぁって。』


『迷惑?そんな事有るわけ無いじゃない』


『いや、でもさぁ。何処から来たのかすら解ら無いような俺を―』


『シッそれは言わないで。』


『別に皆どうでも善いんじゃ無いかしら。』


『どうでも善い?』


『貴方が何処から来たのかとか、何をしに来たのか。そして貴方が何処を目差すのかなんて事は、どうでも善いんだと思うわ。』


『貴方は優しくて強くて、初対面の私を、命懸けで守ってくれた。』


『貴方は私の命の恩人なのよ?』


『そんな人が悪い人な訳無いじゃない』


『助けてくれた人が困ってたら、今度は私達がその助けてくれた人を助ける。』

『こんなの当たり前の事じゃない』


『命の恩人だなんて、買い被り過ぎだよ。実際、助けてくれたのはアイツだし…』


『“アイツ”?』


『さっき言っただろ?“ロー”って奴が助けてくれたって。』


『ああ、ローさんね。』


『なぁ、ジャンヌ。あのローって奴の事、何か知らないか?』


『ローさんの事?』


『アイツ、あの盗賊達にはあんなに恐がられてて、アイツってそんなに有名なのか?』


『それに…“アジャクールの戦いの時”の話しを持ち掛けられた時のアイツ…なんか悲しそうな目をしてたし。』