『うん僕達はずっとここから見てたよ』


『君の横に居る子が、昨日君が言ってた、僕達に紹介したい君の友達かい?』


(そうなんだ)


『しかし、君の友達は僕達の声が聞こえてないみたいだねぇ。』


(え何で)


『昨日も言ったろ?“誰でも話せる訳じゃ無い”って』


(えじゃあカトリーヌに君達を紹介出来ないの)


『う〜ん…僕達がそのカトリーヌちゃんって子と直接話すのは無理だけど、君が“嘘を付いてない”っていう証明位なら出来るよ』

(え?“嘘を付いてない証明”?)


『じゃあ、解りやすくいうと、そのカトリーヌっていう子に、言葉を声に出さずに心で話す様に言ってみて』


(解った。)


『ねぇ、ジャンヌ?…どうかしたの?』



俺と水達が心で会話しているとも知らず、カトリーヌは不思議そうな顔をしながら俺にそう言った。



『いや、実は、今水達と話してたんだよ』


『水達と話してた?』


『今水達が言ってたんだけど、カトリーヌも言葉じゃ無く、“心”で何か言ってみて』


『“心で”って?』


『う〜ん…良くは解らないけど、カトリーヌが今言葉にしようとした事を言葉にしないで、強く想って見れば良いんじゃない?』



すると、カトリーヌはまだ信じてない顔をしながら、無言になった。


そしたら突然水達がこんな事を俺に言い出した。



『“本当に、水さんと話せるのかなぁ”って聞こえるよ』


『君の友達のカトリーヌはそう言ってたよ』


(え?じゃあ、君達はカトリーヌの心の声が聞こえたの?)


『うんだけど、僕達の声は君の友達には聞こえてないみたい。』


『だから、君が、僕達と君の友達の会話の通訳をすれば、きっと君の友達も信じると思うよ』



水達にそう説明された俺は、さっきカトリーヌが心で想った事をそのままカトリーヌに言い当てて見せた。


『カトリーヌさっき、“本当に、水さんと話せるのかなぁ”って想っただろう』