頷く遥野に、綾野は話を続ける


「その方のお孫さんとのお見合い話が、持ち上がったの」

「誰が?」

「貴女が」


にっこり笑う綾野に、遥野もつられて笑ってしまう


「冗談?」

「本気よ」


目が本気すぎて、遥野は逃げるように父を見る


「会うだけ、会うだけ。別に結婚するわけじゃないし」

「─────絶ッ対に嫌!!!」

「と言うと思って、既に予約しておきました。12月25日。約1ヶ月後ね」