その夜、遥の恨めしげな視線に気づいた綾野は、読んでいた本から遥へと、視線を移した

寝室と扉を挟んだもう1つの部屋で、何をするでもなく、綾野を見ていた遥

さすがの綾野も、何かを言わずにはいられない


「なんですか?」


若干呆れたような声だったが、気にしないでおいた


「・・・・・・最近、綾野が起きて待っていてくれない」

「・・・・・・・・・・・・」


遥の訴えに、綾野はため息をつくでもなく、笑うでもなく

無表情