「専務」

「・・・・・・帰っても、起きて待っていてくれないっていうのは、寂しいんだよ?」


子どものようだ、と結子は思う


「奥様に言ってみてはいかがですか?・・・あの方は、私よりも専務の扱いがお上手ですから」


最後の方は小声で言ったため、遥には聞こえなかった


「綾野の寝顔を見るのは、嫌いじゃないけど・・・。やっぱり、帰って綾野の笑顔がないと、1日の疲れが癒されない」


泣き顔の遥に、結子は今日は仕事の期待はしまい、と諦めた