私は赤ん坊を抱く事が出来なかった 伸ばした腕は空しく宙を切り 赤ん坊に触れたいと思えば思う程 映像はどんどん薄れていき 最後には 赤ん坊の泣き声も 赤ん坊の姿も思い出せなくなった 次に目覚めた時 自分がベッドにいる事に不思議に思った そういえば起こされて移動したんだった ぼやけていた視界にも関わらず 行動した事は覚えていた そして夢を見た事も覚えていた ――――ただ 夢の続きを見る事は出来ず 赤ちゃんを抱く事も出来なかった