あめとてるてる坊主

 優しい笑みだった。

 優しい声だった。


 そのとき、自分がまともな顔をできていた自信はない。

 きっとひどい顔をしていたと思う。

 こぼれ落ちそうになった嬉しさと恥ずかしさをかみしめるのに必死だった。


 私は確かに、恋に落ちていた。