食堂には思いの外社員が大勢いた。


痛い程の視線を感じるのは初日だからという事にしとこう。



俺は遠くを見つめた。


すると1人の女性社員が目に入った。



女が全員こっちだけを見ているのに対し、その女は1人黙々とそばをすすってた。



俺は何故かその女に目が釘付けになった。



『拓也?どうした?』



翔太が俺の視線の先を見た。



『おっ♪瀬野ちゃんじゃんー何々!?もうお前目付けたの?』



翔太がニヤニヤしながら聞いてきた。




どうやらその女は瀬野と言うらしい。


秘書課一の美人で有名。この会社で彼女の名前を知らない人はいないとか。


俺は翔太の話を聞きながらどこか腑に落ちないところがあった。


…どっかで聞いたことがあるんだよな〜瀬野って名前。


まぁ別に珍しい名前でもないし、いいか。



そう考えることにして、俺は昼飯を食べた。