「何でも言うこと聞いてくれるの?」
その瞬間、歩みを止めた池谷くんが、手首を解放してくれた。
よかった!あたしの手首、無事だ!
グッと力強く握ってくるもんだから、地味に痛かったんだよねぇ。
って、そんな呑気なこと考えてる場合じゃなかった!
「えっと、それは……口から出まかせっていうか……」
あはは……と笑ってごまかすけど、池谷くんの冷たい瞳にごまかしが通用するわけがなかった。
あたし、何言ってんの?
そんなこと言ったら、勉強教えてください!って宣言してるようなものじゃん!
恐る恐る池谷くんの表情を伺うと、
「桜井には色々計画があるかもしれないけど、俺にも計画があるわけ。狂ってもらったら非常に困るんだよね。
だから、今日の放課後から勉強するから。いいね?」
池谷くんの、計画?
.

