「ありがとう、先生…」
「今は気持ち悪いかもしれないけど、ちゃんと水分補給しないといけないからな。我慢して飲めよ」
声は冷たいままだけど、力が入らないあたしの代わりに、ペットボトルの蓋を開けてくれて、水を少しずつ飲む。
お医者サマとしての先生の姿を初めて見たあたしは、さらに体温が高まっていく。
新たな先生の一面を発見したみたいで、嬉しくなり、少しだけ微笑んだところで。
「ねぇ、先生。そういえばあたし、どうやってここに?」
倒れたはずのあたしは、何故か下着とパジャマを着ており、あたしの部屋のベッドに寝かされていた。
倒れたまま、無意識に着替えて、移動したのかなあ。
それとも、お母さんが手伝ってくれたのかなあ。
このままだと、一生迷宮入りしそうな謎を解決したのは、
「え、全部俺がしたけど」
先生の、爆弾発言だった。
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