目を最大級に見開いて、口をパクパクさせているあたしを見て、先生ははぁ…と冷たく息を吐いた。
これはきっと、あれだ。あたしにすごく呆れてるんだ。
「お前さ、浴槽内に倒れてたんだよ。覚えてないのか?」
「あ…!」
そう言われて思い出すのは、考えすぎて頭がぐるぐるなったと思い込んでいた、浴槽でのあたしの姿。
体調が悪くなったのは、あたしの頭の使いすぎじゃなくて、ただ単にのぼせていただけだったんだ。
「仕事終わって玄関に着いたらさ、いきなりお風呂場の方から大きな音がしたわけ。驚いて扉を開けてみると、お前が倒れてたんだよ」
「俺がすぐ気付いたからよかったものの、放置されてたら危ない状況だったんだぞ」と言い放ちながら、先生はあたしにペットボトルを渡してきた。
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